当然といえばそれまでだが、陽向が一番最初に憶えた数字は1である。
ようやく10まで数えることができるようになったが、よく飛ばしてしまうのは2だ。
どちらかといえば、音のリズムで憶えているようで、まだ数字の概念はふわふわと固まってはいないように見える。
例外的に、「3」についてはしっかり概念があるようで、どうやらそれは3人家族であることに起因するようだ。
数字を憶えはじめて以来、3人で一緒にいたい、という意思表示が明らかに増えた。
ゼロについては、まだ馴染んでいないけれど、なにかを急がせるときには、ぼくが10からカウントダウンするようになったから、最後に不気味な「ゼロ」という音を度々聴くようになった。
たぶん最初は、不気味な数字として記憶されてしまうだろう。