2024-01-01から1年間の記事一覧
以上のように、地震で壊れたものを集めて、空間づくりの素材として使用し、未来へ受け継いでいこうと活動を開始しました。 個人的にも、2016年に起きた熊本地震で母が一人で住む実家が半壊になったこともあり、被害の状況のビデオを見ては心を痛めていました…
まずは、ボランティア活動を通じて現地にコンタクトすることから始める。現在能登半島地震のボランティア活動は大きく分けて自治体が個人の活動をまとめてコーディネートする場合とNPOや地域と学生などが自治体と交渉しボランティア活動をする場合があると思…
今、ぼくたちは、能登半島地震で壊れた建物から、ソトチク素材を集めて新しい空間に取り込むことができないか、と活動を始めている。 その先頭に立つ山崎誠は、13年前の東日本大震災で復興ボランティアとして2年間、東京から毎月40棟しかない海辺の小さな集…
ぼくらグリッドフレームは、「風雨や日光に晒されたり、生命活動の場にあり続けることで時間や生命の営みを記憶した素材を寄付で集めて、新しい空間づくりの素材として生かす」という試みを5年ほど前から始め、そのプロジェクトをSOTOCHIKU(ソトチク)と名付…
令和6年1月1日に発生した能登半島地震では家屋の倒壊、火災、津波、土砂崩れによる交通の寸断、海底の隆起など多岐な災害が発生し2ヶ月以上経った現在でも復旧が進んでいない。 能登地方は半島という地理条件の下、震源地に近い半島先端部への交通手段は…
ぼくは20歳でアフリカのケニア・タンザニアを旅して、何を得たのだろうか? アフリカのアートに魅了されている、という方にそのときに経験した何を伝えようか、と考えたときに、自分なりに発見があった。 ぼくは日本にいるときに、日本の暮らしと最もイメー…
アーティストのYellowYellowさんが、「き成りと黄変という言葉の違いは何か?」という問題に言及された。 そして、「黄変という言葉は、建築業界では使いますか?」と。 実は、ぼくは一般にはネガティブにみられる「黄変する塗料」をずっと前から求めていた…
祭りとは、共同体の中で溜まった様々なネガティブなものを一斉に発散して、また正常な日常を始める、というサイクルを生み出すための重要な機能を果たしている、というのが一般的な理解だと思う。 外部に出会う一瞬をつくる、ということだ。 これはABCDでい…
夜の工場の静けさのように。
鉄板を染めると浮いてくる模様。予定不調和が面白い。
タクマクニヒロさんが撮られたアスファルトと白線。 これをSOTOCHIKU素材として見つけられないだろうか?
「工場の廃墟をつくってください」というご依頼のリノベーションでした。「真っ白な壁では汚さないように動かねばならないので、スタイリストがのびのびと動けないのです」と。 「廃墟」をつくるとは、どういうことか?時間が為した仕事を人間がどのように為…
テーマは「廃墟」。元々広がっていた白い漆喰壁に廃墟の時間性を表すために、アーティストのアトリエとして、壁に線を描いては、薄い白で塗りつぶす、という行為を最初に描いた線が消えるまで繰り返しました。 そして、その表面にさらに重ねるものとして、埼…
漫画を描くことと、それをドラマ化することは、全く性質が違う。 漫画のつくり手は原則として一人の作家であり、ドラマのつくり手はプロデューサー、脚本家、撮影監督、俳優をはじめとして大勢が関わってくる。 大勢でつくる作品には、それぞれの人の個性や…
原田真二が出演するライブへ家族3人で行ってきた。 彼は能登半島地震へチャリティコンサートを開くために駆け付ける予定だという。被災された方を元気づけるために、自分のできることを精一杯やる。 ぼくたちグリッドフレームも、被災された方を元気づけるた…
いちばん近い場所にある歩道橋にこんな美しさが。
2月29日は、オリンピックイヤーを想起させてきた。ああ、今年もお祭りだな、と。 東京オリンピック2020は、それは政治家と大企業の利権の温床であることを露わにしたことで、オリンピックはもう夢の祭典ではなくなった。 パリでもきっと似たようなことは行わ…
陽向は14歳になった。 いろいろな問題が現れては消える。消えるときには他の問題が現れている。どんどん更新されていきながら、彼は大人になっていく。 そんなふうにして、昨年の今頃の彼とは全然違う彼がいる。 ぼくは想定外であり続ける彼の存在に一方で振…
ecruは1階2階が同一平面を持つ美容室だ。 それぞれの階を明確に分けるため、2階床スラブ面について対称にセット面を配置した。 1階は重心が低い重量感のある空間。2階は重心が高い浮遊感のある空間。 どちらも工場の廃墟を想起させる空間だ。
陽向が突然動きを止めるようになった。 例えば、食べるのを急に止めて、動かなくなる。 歩くのを急に止めて、動かなくなる。 こちらが促す言葉は聞いているのだが、動こうとはしない。 これが長いときは1時間ほど続く。 彼の中で何が起こっているのか、わか…
「明日からのテストを受けるのをやめます」 陽向のこの宣言は、残念でもあり、一方で安心するところもある。 ちょっと不安定なことを自分でよく分かっているのだ。 よし、それでいい。 後で家でテストをちゃんと受けるように。 自分で自分のペースをちゃんと…
陽向は今も湧きおこる衝動性と闘っているけれど、表情はずいぶん柔らかくなってきた。 来週は学年末テストで、緊張しているかもしれないが、表情に硬さがないのはうれしい。 このところ毎日いろんな事件を起こしてきた陽向だが、一緒にいてどこか安心してい…
2023年。岩井俊二監督。アイナ・ジ・エンド。 陽向が「見に行きたい」と言って、ecruの引き渡し後、90分もかけて車で深谷シネマへ。 ぼくは東京よりこういう映画館の方が好きだ。 映画はアイナジエンドのうたで満ちていた。 311の「揺れる」という…
北浦和の美容室ecruの制作もほぼ終わり、後は明日の掃除を待つのみだ。 今回は、壁と床に専念。 白い漆喰壁には毎日とにかく手を入れては上から薄い白で覆い隠すことを繰り返した。 そして、上里町からの土壁を砕いて、スサ入りの土を壁に塗り付けて、縦に引…
漫画を描くことと、それをドラマ化することは、全く性質が違う。 だから、それぞれの作品に同じものを求めること自体、ナンセンスだ。 それぞれが独立した作品だ、と考えるべきだ。 漫画家はその作品性を手放すことなく、ドラマ化を許してはならない。 テレ…
床の塗装が空間に及ぼす力を思い知る。
土壁の土。スサと相俟って、やさしい空気をつくってくれる。
陽向と九十九里を走った。 真亀川総合公園の入口。バブルの頃につくられたのか、突然シンメトリーな造形に遭遇する。陽向も「びっくりした」 竹林の前の葦の原。なんてやわらかいんだ。 太陽光パネルの傾きが効いている風景。 真亀川の土手を走る。 夕陽。鳥…
成田悠輔と長渕剛の対談で、世間に理解されなくても自分の本音を隠さない者同士で、長渕が「一緒に闘ってくれる人を求めている」というシーンがあった。 この二人に共感するところは少ないが、ぼくも「一緒に闘ってくれる人」を強く求めていることを気づかさ…
「まとめようとしない」 そう決めて、壁をつくる。 ぼくは、人をもう一つの世界へ連れていくためにつくっているのだから。 なにか嫌悪すべきものがそこにあってもいい。