陽向が突然動きを止めるようになった。
例えば、食べるのを急に止めて、動かなくなる。
歩くのを急に止めて、動かなくなる。
こちらが促す言葉は聞いているのだが、動こうとはしない。
これが長いときは1時間ほど続く。
彼の中で何が起こっているのか、わからないが・・・
きっとこれまでずっと何の考えもなく促されるままに従ってきたのを、
自我が出てきたことによって
「これは従うべきか、従うべきでないか」の判断をしようとしているのだろう。
考えることなく従っていたときは問題にならなかったが、
考え始めることで問題になっている。
従うこと、従わないこと、のバランスを掴むまで、これは続くだろう。
さて、ぼくら親はどう対処するべきか。
毅然として時間を先へ進めるだけだ。
ついてこない彼に、時間は巻き戻せないという現実をつきつけるだけだ。