gridframe001の日記

とりかえのきかない世界を生きるために

一つ一つに向き合う

能登へ壊れたモノをもらい受けに行けることになりました。

 

まず、正直にお伝えしなければならないのは、ぼくたちは残念ながら、被災した方々が日常を取り戻すためのお力にはほとんどなれない、ということです。

 

ぼくたちは総勢9人の小さな会社であり、空間づくりの規模も件数も決して大きなものではないので、たくさんの物量を扱うことができません。だから、壊れたモノを片付けることができるわけでもありません。壊れたモノをほんの少量採取させていただき、その結果の寄付控除の金額も数万円程度に過ぎない場合が多いです。

 

でも、その代わりに、寄付していただく一つ一つのモノに対して大切に向き合って、どこかの町でそれぞれの能登の記憶が受け継がれていくように、できる限り質の高い空間をつくろうと努力します。ぼくたちは、モノや人に一対一で向き合って空間をつくると同時に、未来へ素材の物語を伝えることに重きをおいて活動しています。

 

寄付してくださった方には、モノたちがどのような場所でどのように使われることになったかを丁寧にお伝えしたいと思います。それによって、被災者の方々のこれからの人生をほんの少しでも豊かにできるかもしれない、という思いがあります。