今日からGFスタッフMさんが現地に入り、石川県災害ボランティアに参加。いよいよプロジェクトの始動です。
ぼくは、熊本地震で母親の住む実家が半壊した経験から、被災された方々の願いはとにかく一日も早く日常を取り戻すことだということを知っています。壊れたモノを「そこに流れた時間を記憶した貴重なモノ」として残したいと考える余裕はほとんどないことも。震災から数か月は、壊れたモノは早く目の前からなくなってほしいモノであるのが普通です。
熊本地震では築100年以上経った亡き父の実家も全壊となり、幼い頃からその土壁に強い愛着を持っていたにも関わらず、それを取りに行かねばと思い立ったのは、もうすべてが片付けられた後だった、というぼく自身の苦い経験があります。
そこに流れた時間の記憶を一切失ってしまった。そのことを痛感しました。
能登で被災された方々の中にも、少し時間が経った後で、ぼくと同じ思いを抱く方がたくさんいらっしゃるのではないか、と思うのです。
だからこそ、お話ししづらい壁を乗り越えて、今のタイミングでソトチクをお伝えする努力をしたいと思います。
まず、正直にお伝えしなければならないのは、ぼくたちは残念ながら、被災した方々が日常を取り戻すためのお力にはほとんどなれない、ということです。
ぼくたちは地震で壊れたモノを寄付で集めて、SOTOCHIKU素材としてどこかの空間づくりのプロジェクトに使用します。そのときSOTOCHIKU素材の売上金額の60%がNPOへ寄付されて、寄付した方は寄付金控除(売上金額の約30%)が受けられます。
ぼくたちは総勢9人の小さな会社であり、空間づくりの規模も件数も決して大きなものではないので、たくさんの物量を扱うことができません。だから、壊れたモノを片付けることができるわけでもありません。壊れたモノをほんの少量採取させていただき、その結果の寄付控除の金額も数万円程度に過ぎない場合が多いです。
でも、その代わりに、寄付していただく一つ一つのモノに対して大切に向き合って、どこかの町でそれぞれの能登の記憶が受け継がれていくように、できる限り質の高い空間をつくろうと努力します。ぼくたちは、モノや人に一対一で向き合って空間をつくると同時に、未来へ物語を伝えることに重きをおいて活動しています。
寄付してくださった方には、モノたちがどのような場所でどのように使われることになったかを丁寧にお伝えしたいと思います。それによって、被災者の方々のこれからの人生をほんの少しでも豊かにできるかもしれない、という思いがあります。
SOTOCHIKU協会では、
①SOTOCHIKUにご興味を持ってくださる方
②SOTOCHIKU素材に一対一で向き合って創造行為に使用することにご興味のある方
③SOTOCHIKU素材をご提供されることにご興味のある方
にぜひメンバーになっていただければうれしく思います。
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