gridframe001の日記

とりかえのきかない世界を生きるために

まだアスファルトやコンクリートに大地が覆われていなかった頃、ぼくらは土くれに親しさを感じながら生きていた。

小さい頃に住んでいたアパートの前には、雑草に覆われた空き地があって、それがぼくらの遊び場だった。そこにはバッタやトンボがたくさんいた。一度、遊んでいるうちに飼っていたクサガメがいなくなってしまったが、きっと生きているに違いない、という安心感があった。

土は生の源だと知っていたからだ。

どのような建物の下にも土がある。建物を支えているのは、土だ。建物を建てるとき、ぼくらは土にうごめいている生を意識しない。いや、今でも地鎮祭という儀式があるのは、それを意識しているからだった。それも形骸化してしまっている。

そうやって達成したぼくらの便利な生活。だが、そこに足りないのは、まさに土だ。目に見えないけれど、確かにうごめいている生だ。

飼いならすことなどできない闇。それを露出させたい。

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