一方通行の道に入ったら、同じ場所へ帰ってくるのをあきらめる。ぼくはこの道によってどこへ導かれるのだろう。
ぼくらは、家から仕事場へ、仕事場から家へ、同じ道を往復しながら年をとっていく。
一方通行は時間だけだ。
だが、人生は少しばかり長過ぎて、昨日と今日と明日の違いは明らかではない。
だから、ぼくらは退屈する。
ぼくの奥さんは、陽向が生まれてから世界が一変したという。陽向以前・陽向後、という意味で、BH・AHと呼ぶくらいだ。
もし、その人にとって、毎日のように世界が一変していたら、それはそれで大変なことだろう。
でも、昨日と今日と明日の違いくらいは、しっかりと心に刻みたい。そのような想いで日記を書き始めたが、最近は数日分まとめて書くような生活になってしまっている。
それでもいい。先週と今週と来週の違いでもかまわない。
ぼくは一方通行の道を生きているのだ。