gridframe001の日記

とりかえのきかない世界を生きるために

映画 タクシー・ドライバー

1976年。アメリカ。マーティン・スコセッシ監督。

"Anytime, anywhere"

眠れないトラヴィスはとりあえずタクシードライバーを始める。しかし、どんなに働いても不眠症は改善しない。

それは、自分の存在を感じられないからだ。「自分」は、どこへ行くのか。

麻薬・売春・暴力・犯罪・・・海兵隊あがりの彼は、規律を好む。その正反対なものがここニューヨークにはある。憎むべき無意味に生きる(彼にはそう見える)人間たちを乗せて、彼の心の病はひどくなる一方だ。

どこかへ行かねばならない。

なんとか自分を感じようと、教養のある美しい女性に恋をするが、社会性のない彼はにべもなく振られてしまう。

出口を探しても、見つからない。

彼は、拳銃(=武器)に走る。この主人公は、戦争後遺症に侵されているのかもしれない。ベトナム戦争が終わった次の年の映画である。

「この汚れた街をオレがクリーンにする」

ターゲットは、大統領候補かもしれないし、ポン引きの男かもしれないし、どちらでもよい。・・・そう、どちらでもよい。

結局、ポン引きの男たちを3人殺し、自分も重症を負う。回復すると、彼は12歳の少女を救ったヒーローに仕立て上げられている。

その後もトラヴィスタクシードライバーを続ける。彼はもう銃を捨てただろうか。

彼はどこかへ行き着いたのだろうか。

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