gridframe001の日記

とりかえのきかない世界を生きるために

映画 キナタイ・マニラ・アンダーグラウンド

2009年。フィリピン。

20歳の警察学校に通う青年が、小銭を稼ぐつもりで露天商の集金を手伝った直後、闇組織のバラバラ殺人事件の片棒を担がされる一夜を描く。

一歩足を突っ込んだら、逃げ出すことができない闇世界。青年は、途中逃げ出せるチャンスを何度も見出すが、その度に迷っては連中のところへ戻る。

その判断は賢明といわねばならない。逃げ出せば、どこまでも追ってくることがわかっているからだ。結婚したばかりの妻と生まれたばかりの子供を守ることはできないだろう。

次の朝、青年は解放される。さて、これからどうするか?家に帰るためにタクシーに乗り込む。ようやく眠りにつこうとした瞬間、タクシーはパンクで急停止する。彼はタクシーを降り、別の車を探すが捕まえることができない。そのうちに、パンク修理は終わってしまう。

青年は、どうしても別の車に乗りたいと思ったが、やむなく元のタクシーに戻る。

彼は、自分の意思で、ことを変えることができるのを確認したかったのだと思う。

青年がこの後もズルズルと闇世界に入り込んで、そのうちに感情をなくしてしまうことを予感させるシーンだ。

それにしても、この後味の悪さはどうだろう。うがいをしたくなるような、口の中のねっとり感は・・・。

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