1971年。アメリカ。
1973年に、ペドロ&カプリシャスが「ジョニーへの伝言」という歌をうたっていた。映画との関係はなかったようだが、ぼくはなんとなくジョニーは戦争へ出兵したのだと思い込んでいた。
戦争で負傷した彼は、手も足も顔も失って、軍の病院で研究の対象として生かされている。だが、彼は心を失っていなかった。
彼は、時間を数える。窓から差し込む太陽の熱を感じ、夜の冷たさを感じる。そうやって一日一日を数えていくが、彼は起点となる期日を知りようがない。
だが、看護婦が彼の胸に「メリークリスマス」と書いたことで、彼は起点を得て歓喜する。
生きる、とは、自分にできることの範囲を広げて、世界とつながっていくことなのだ。