gridframe001の日記

とりかえのきかない世界を生きるために

映画 ランデブー

1985年、フランス。

ジュリエット・ビノシュは私よりずっと年上だと思い込んでいたが、同じ年齢だそうだ。この人の表情には、決してたどり着くことのできない、秘めているものを感じる。

子供向けの映画は似合わない人で、音のない中で長回しのシーンから内に秘めるものを想像するような映画が似合う。かといって、好きな女優と言うわけではない。なにか微妙に生理的に受け付けないようなものも持っている。そこがまた魅力だ。

この『ランデブー』という映画は、彼女以外の役者が、とてもわかりやすく配役されている。つまり、この顔はこの役以外にありえないでしょう、という配役だ。

ビノシュのせりふに「ロミオは完璧よ。そして、ジュリエットもそう。私は完璧には魅力を感じないの。」という言葉がある。

彼女以外の役者に、魅力も内に秘めるものも感じられないのは、まさに完璧だからだ。

ビノシュのみが、完璧からは程遠い。彼女は揺れ動き、崩れ落ちながら、生き続ける。

美しくない。そこが、美しい。

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