gridframe001の日記

とりかえのきかない世界を生きるために

STUDIO COOCA

四谷三丁目でSTUDIO COOCAのギャラリー展示があった。

STUDIO COOCAは、「知的・精神にハンディキャップを持った方たちが、その人のやりたいこと・得意なことで収入を得るために、自由で活発な創作活動を行える場所が必要だ」という考えのもとに設立された福祉施設である。(HPより)

http://studiocooca.com

つまり、ここにはアーティストがたくさんいる。優れたアーティストも多い。

天賦の才能とはなにか、を感じ取れるような展示を楽しませていただいた。

グリッドフレームを設立した頃、COOCAの前身である工房絵の作品の展示の手伝いを何度かさせていただいた。

この会社のシステムは、「やってはいけないこと」「やらなければならないこと」の集合によって成り立っていない。「やりたいこと」の集合で動こうとしている。

知的・精神にハンディキャップを持った方たちは、「やってはいけないこと」「やらなければならないこと」によって、管理できる対象でも、管理すべき対象でもないからである。

彼らが自由を得たとしたら、そこから本物が生まれることは容易に想像できる。

彼らは自然そのもののように、気まぐれにふるまうだろう。スタッフは、風が吹くのをじっと待つように、アーティストの作品が進むのを待つことになる。

そして、一旦風が吹くと、自然がなすかのように色鉛筆が動くのを私たちは見ることになるかもしれない。

私はそうやって描かれた、自由な線の集合を、空間づくりの素材として活かせないだろうか、と夢想したことがあった。

だが、コラボレーションの可能性はそこではない、と現在は思っている。

たぶん、彼らの発想をヒントとして自分の創造に生かすことに、コラボレーションの可能性はあるのではないか。

つまり、「創造性の連鎖」の可能性である。

「やりたいこと・得意なこと」というポジティブなものを上流において、創造性を連鎖させていくかたちを社会につくっていけないだろうか。

今度はその可能性を試したい。今回の展示を見て、そう思った。

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