gridframe001の日記

とりかえのきかない世界を生きるために

昔の時代劇

小学生の頃、九州の田舎にいた。その町の公民館に映画がやってきた。土曜日の放課後だったろうか、100人ほどの子供が集まってそれを観た。

名前も思いだせないが、時代劇だった。忍法を使える悪役が、大勢の相手の動きを止めて、そのうちにバッサバッサと切っていくシーンが鮮明に焼き付いている。黄色っぽい画質の悪い映像だった。

全体に漂う薄気味悪さは現代のどの映画も及ばない。もちろん、私にとっての話である。

この年になっても子供の頃の記憶として残るものは、たぶん人生にとって重要なものだ。私にとっては、公民館の窓に黒幕を垂らして観たその映画が、恐ろしいイメージの原風景となっている。

だからといって、また観たいとは思わない。がっかりするに決まっているからだ。

今の映画はその頃に比べれば、予算も比較にならないし、画質もよい。だが、予算がなくて、画質が悪いからこその魅力というものがある。「ニューシネマパラダイス」などは、その感覚がグローバルなものであることを教えてくれた。

だが、この感覚は私より若い世代とは共有できないものなのかもしれない。

毎日youtubeアンパンマンを何本も観ている陽向は、いろんなイメージの原風景をそこに見つけていくのだろうか?そして、このメジャーな誰もが知っているアニメが原風景のソースである、ということは、彼にとってよいことなのだろうか?

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