gridframe001の日記

とりかえのきかない世界を生きるために

2011.12

2011年

2011年が今日で終わる。日本人として、この年は後になって大きな節目として歴史に残る年になるだろう。もちろん、これまで経験のなかったくらいの大災害を被った年として、ということもあるが、それ以上に、日本人の心のありように変化の兆しが表れた年…

アクシデント

休みに入り、さて北海道へ出発しようという当日、3週間前に購入したJRチケットを紛失してしまったことに気付いた。しばらく心当たりを探したが、断念。とりあえず時間の拘束がなくなったため、今日の気分とリズムに合わせて、途中寄り道をしながら北海道へ…

wonderland

僕は 僕のために 生きるために 生まれてきた 君と 出会ったのも 君のために 生きるためじゃない 僕が 僕のために 生きる場所が 僕のwonderland 君が ふさぎ込んだら 僕の 生きる場所がない 僕は 羽をつけている いつか吹く風を待つ 君も 羽をつけてる けれど…

ジャンカ

ジャンカは、wikipediaでは「コンクリートの打設不良の事例の一つ」と説明される。つまり、ネガティブなものである。しかし、視覚的にはコンクリート面に多様性をもたらすものとも見ることができて、一概にネガティブとは言えない。こんな両義的な存在に興味…

建物の素顔

近所がいつの間にか駐車場になることがある。きっと数年のうちには大きな建物が建てられるのだろう。そんなとき、後ろに建っていた建物が突然なくなって、人目に晒されることになった建物たちは、戸惑っているかのように映る。限られた期間だけ見られる建物…

silhouette

メンテナンス中の国立競技場の照明塔。澄んだ冷たい空気と足場のシルエット。 ← グリッドフレームのHPはこちらです

1.25倍のレンズ

森敦『意味の変容』の中で、私たちの生きる世界を両目を開いて照準眼鏡を覗いた状態に例えてこう言っている。外部の実現が内部の現実と接続するとき、これをリアリズムというだが、照準眼鏡のレンズは実は倍率1倍のレンズではなく、倍率1.25倍が使用さ…

映画 夜になるまえに

キューバの作家、レイナルド・アレナスの自伝を映画化したものである。キューバ政府から迫害を受け、キューバで出版された作品はひとつだけで、残りはすべて海外から出版されたらしい。アレナスはホモであった。最近、映画賞を与えられた作品を中心にDVDを選…

木の葉と固有周期

あらゆる物体には、固有周期と固有モード(揺れるときのかたち)というものがあって、ある外力を受けたときに、その外力に固有周期と同じ周期の振動が含まれていれば、共振を起こして、その周期で固有モードのかたちを描きながら激しく揺れる。固有周期と固…

GFの家具

現在、GFオリジナルの家具を開発中である。もちろん、それぞれのプロジェクトの中では、オリジナルの家具をたくさんつくってきたが、インターネットで販売できる家具を開発しようとしているのだ。日本の家具のカタログを見ると、日本のデザインの在り方が…

強制なのか、制約なのか

設計を行うためには、制約条件を必要とする。好きに設計してくださいと言われても、単に困るだけだ。それがはっきりしないときは、それを見い出す作業から始めることになる。そのくらい、設計者は制約条件を必要とする。グリッドフレーム内の「創造性の連鎖…

一を対象とする

大学で建築を学んでいるとき、都市計画の授業があった。つくる対象が建物ではなく、町や都市となるとき、なにかしっくりとこないものを感じたのを憶えている。もっと言えば、建物の設計プロジェクトでも、その規模が大きいとき、例えば、駅ビルの複合施設な…

青山墓地

家へ歩いて帰る途中、必ず青山墓地の中を通る。最初、深夜ひとりで帰るときには薄気味悪い感じがして早足で通り過ぎていたが、数か月が過ぎて、逆に今は人間を感じるようになり、ゆっくりと通るようになった。守られている感じすらある。1年前に父が逝った…

ぬいぐるみ

北極グマの等身大と思われるぬいぐるみ(剥製ではない)があった。ここまで大きいと、ぬいぐるみは家具になれる。ちなみにトトロはベッドとして売り出せば、大人だって買うかもしれない。決して私は買わないけれど・・・。 ← グリッドフレームのHPはこちらです

昔の時代劇

小学生の頃、九州の田舎にいた。その町の公民館に映画がやってきた。土曜日の放課後だったろうか、100人ほどの子供が集まってそれを観た。名前も思いだせないが、時代劇だった。忍法を使える悪役が、大勢の相手の動きを止めて、そのうちにバッサバッサと…

アーティスト

アーティストに重要な資質は、勇気だと思う。ニューヨーク州立大学時代にとてもプレゼンテーションがうまい同級生がいた。彼は父親がアーティストで物心ついたときからスケッチブックを持ち歩いていたそうだが、私が感心したのはそこではない。彼は、時間を…

自分のことを苦しまない

けふのうちに とほくへいってしまふわたくしのいもうとよ と始まる宮沢賢治の詩「永訣の朝」。その中で、妹とし子が病床で苦しみながらつぎのように言う。 うまれでくるたて こんどはこたにわりやのごとばかりで くるしまなあよにうまれてくる 自分へ意識を…

2001年宇宙の・・・

2001年はとっくに過ぎてしまったが、映画「2001年宇宙の旅」で描かれた未来はまだ未来であり続けている。最後の光る床の部屋のシーンは、30年くらい前に観たにも関わらず、今も鮮明に思い出せる。こんな部屋が家だったら、永遠に落ち着かないだろうなあ。…

生産者協同組合

会社は、どのようにしたら主体的な個人の集団になれるだろうか?一人ひとりが仕事に必要な制約条件を受け入れて、されど他人からの命令を受けず、自ら集団の利益を考えつつ、最適な働きをする。重要なことは、それぞれが愉しんでいること。愉しむとは、自分…

空き地

都会とはいえ、空き地はそこらじゅうにある。「土地が泣いている」というコピーをどこかの不動産会社が使っていたように思うが、それは不動産屋の論理であって、土地は実にのんきに笑っているようにも見える。せっかくビルを建てたら、誰もテナントが入らな…

父としてなすべきこと

陽向とは、親友になりたい。ぼくは親友がほしいからだ。将来、彼が親友をほしいと思い、その一人がぼくだったらうれしい。 ← 創造性の連鎖でつくる店舗デザイン:グリッドフレーム

映画 この自由な世界で

2007年。ケン・ローチ監督。主人公の女性は、何度も会社を変わっている間に、いつの間にか借金を抱えた33歳のシングルマザー。職業斡旋の会社を不当に解雇されたのを機に、友人と二人で職業斡旋の会社を自ら立ち上げる。会社を立ち上げた動機は、「自…

アーティスト 橋本ひろし

橋本ひろしのライブを観る機会をいただいた。昨日youtubeで予習をしたら、そのエキセントリックな歌唱に正直抵抗を禁じ得なかったが、今日のライブでは一瞬で引き込まれた。そのシンプルで明快なメッセージは、簡単にいえば、すべてを肯定する姿勢である。つ…

さがしもの

見つからない携帯電話に電話をかけて探した経験は誰にでもあるだろう。物の管理が悪いといわれる私にとってそれは結構日常的なことだ。最近はそれに慣れてしまって、一時的に物がなくなったとしても何でも同じように探すことができるような錯覚に陥っている…

どれくらい世の中を見ているか

目の前の風景をじっと見る。10秒経って、目を手元にある白い紙に移す。紙の上で今見た風景を再現し始める。描けることがなくなるまで、決して顔を上げない。描き終えたら、顔を上げて、実際の風景と見比べる。こうすると、自分にはどのくらい世の中が見えて…

少し足りない

しばらくお会いしていないが、京都で学生だった頃から、10歳くらい年上のお坊さんと親しくしていただいている。20年近く前になるが、彼に「結婚はしないのですか」と尋ねると、「檀家さんが諸々の相談事でいつなんどき来られても親身になって対応できる…

残り陽

12月の公園にて、暖かさを惜しむ。 ← グリッドフレームのHPはこちらです

78:22 その2

http://d.hatena.ne.jp/yogosiurubi/20090828ずっと前に、78:22というマジックナンバーともいえる数字について書いた。私たちグリッドフレームは、つくり込む部分を空間全体の22%くらいにするよう心がけている。それ以上になると、うるさい空間にな…

映画 ブロークバックマウンテン

同性愛が描かれた映画。保守的な人間も多いアメリカで記録的な興行収入を上げたというのは意外だった。美しい自然を背景として描かれていることが、二人の行為を自然の一部として見せることに成功しているからだろうか。私自身はこの映画にあまりインパクト…

アドバイス

他人の人生に対してアドバイスできるようなことなんて何もない。それが他人のためになると根拠もなく信じることができたのは、せいぜい30歳くらいまでだ。それは、世界がこんなにも多様であることに目をつぶっていたからこそできることだ。人生はだんだん…