gridframe001の日記

とりかえのきかない世界を生きるために

fens

イギリスは行ったことのない国だが、fensと呼ばれている場所にはなぜか懐かしさを感じている。Waterlandという1992年の映画の舞台になった場所で、ぼくはアメリカでこの映画を見て以来、この湿地帯の風景が焼き付いて離れないでいる。

 

 以来、何度かぼくの夢にも出てきた。少し高台に立って、ぼくはこれからこの風景の中を彷徨うことになる、というシーンで終わる。歩いている夢は見ない。

 

懐かしい。期待。そして、少しの不安。これは、ぼくがひとり旅をしていた頃の心持ちに近い。

 

きっと、ぼくが求めている「外部」の象徴的な風景に違いない。

 

眺めても何が見えるわけではないが、そこにはきっと混沌が隠れている。

 

人には憂鬱にも見える、その殺伐とした風景の向こうにある、揺るがない何か。