gridframe001の日記

とりかえのきかない世界を生きるために

映画 オリヲン座からの招待状

宮沢りえ主演の「トニー滝谷」が大変よかったので、主演で選んだ。この人の佇まいは、そこにいるだけで響いてくるものがある。

昭和30年代の描き方は、徹底しようとすればするほど、押し付けがましく、まるでテーマパークのようだ。「モンゴル」のときも書いたが、予算が少なければよかったのに。その方が、宮沢りえたちの演技が生きてくる。

夫が亡くなった後の、宮沢りえが自転車をこぐシーンはよかった。森の中へ消え、しばらく経ってから出てくる。消えている時間、はらはらと森を見つめている。難しい映像技術より、こんなシンプルなシーンの方が心に残る。

つまり、私にとって、コストパフォーマンスのよい映画=よい映画、に感じられることが多い。それを改めて思った。

予算の多い映画は、少ないものと比べて、つくる論理が違ってくるのだろう。