gridframe001の日記

とりかえのきかない世界を生きるために

荒野

堤防の上に立つと、一面の荒野と水の風景。川とも海ともつかない、そして、土地はまだ固まりきらない葦の原。

すべてが生まれる場所。

イギリス東部のFens(フェンズ)と呼ばれる場所を舞台に描いた「waterland」という映画で、私の記憶に刻まれた風景は、かつて学生の頃に自転車に乗って探し続けた風景に重なる。

白いシャツ1枚着た、思春期の少年・少女たち。性への憧れ。築き、壊れることの繰り返しのスタート地点としてのフェンズ。

人はその連鎖の中で取り返しのつかぬことも起こしてしまうだろう。だが、それらも含めて、原初的な風景が呑み込んでくれる。

生と死はいつも隣り合わせにあることを、ときおり風景から教えられることがある。

だからこそ、生きることは輝く。

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