パソコンが急速に普及し始めてから１０数年になる。ネットショップでものを購入することが当たり前の世の中になったが、例えば、私の両親などは、ネットでは決してものを買わない。もちろん、パソコンについての知識にも差があるだろうが、それだけではないだろう。
店のカウンターで人に対してお金を払うのと比較して、ネットでワンクリックする、という行為が、私の両親にとっては、あまりにも軽いと感じているに違いない。
欧米では、古くからタイプライターを打って、重要な書類を作成していた。間違えると後戻りがきかないタイプライターを使用することによって、ワンクリックのずっしりとした重みは自然と身についてきただろう。
それに比べれば、日本人のキーボードをたたく歴史は浅い。大きなことに関わるワンクリックに対して、その重みを私は自覚できているだろうか。
