gridframe001の日記

とりかえのきかない世界を生きるために

大きな組織ととりかえのきかない世界 2

グローバル資本主義が世界を均質化していく一方で、そこから必然的に出てくる排除された者たちが無差別テロ行為などによって反発する構図が、世界中に舞台を広げつつある。世界は今、不平等をつくらない自由競争があるのか、という根源的な問題を突き付けられている。

この問題を突き詰めていけば、資本主義社会から排除された者たちがフィジカル(経済的)に排除されていると同時に、「とりかえのきかない存在」としての扱いを受けていないと受け止められているというメンタルの問題があるだろう。


今後、国の経済を動かす大企業が、とりかえのきかない世界観をケアするような商品やサービスを提供していくことにますます本気で取り組んでいく必要性を求められるだろう。

現在も大企業が「とりかえのきかない世界」に属する商品やサービスを提供しようとすることに果敢に挑戦しているプロジェクトに関わらせていただいているけれど、プロジェクトを大勢で進めることの難しさを感じている。

平等な多数のメンバーで進めようとすると、往々にして、一般性(多数決)が勝利してしまう。そのほとんどの場合、快適・簡単・便利という一般的な価値に流れていくことが多いのではないか。

だが、「とりかえのきかない価値」は個人に属するものだ。多数決を採るときに、消え去ってしまうものだと思った方がよい。プロジェクト決定後にも、運営される中で簡単に姿を消してしまう類いのものだ。

それに、歯止めをかけるためには、絶対的な「核」を設ける必要がある。その核が、とりかえのきかない世界に属するものとして全員に認められねばならない。そして、それが求心力となって、ビジネスの拡大という遠心力と常に釣り合うだけの力を持たなくてはならない。核が弱ければ、簡単に持っていかれてしまう。


遠心力を強めるためには、求心力を強めなければならない。

ぼくらが空間をつくらせていただくとすれば、その核として作用すると考えるのが、「コンセプトストーリー」、「それを体現する空間」、そして、「その空間で核となる人の存在」である。


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