gridframe001の日記

とりかえのきかない世界を生きるために

2018.10

入れ替わる

8歳の陽向の12月の長距離走の大会へ向けての練習として、週末は一緒に外苑を走っている。放っておけばだらだらと走る陽向の背中を押しながら、「こら、走らんか!」とタイムを計りながらついていくのがぼくの役割だ。そうしながら、だいぶタイムを縮めてきた…

大きな組織ととりかえのきかない世界 2

グローバル資本主義が世界を均質化していく一方で、そこから必然的に出てくる排除された者たちが無差別テロ行為などによって反発する構図が、世界中に舞台を広げつつある。世界は今、不平等をつくらない自由競争があるのか、という根源的な問題を突き付けら…

大きな組織ととりかえのきかない世界 1

これまでの20年間のうち数年前までは、ぼくたちは主に、オーナーがそこに人生を賭けるような個人店をつくらせていただくことが多かった。「とりかえのきかない世界」をコンセプトにつくるアーティスト集団としては、ひとつの店舗をオーナーの分身のように捉…

映画 ファウスト

2011年。ロシア。アレクサンドル・ソクーロフ監督。悪魔との契約で、恋した少女と一夜を共にするために、自分の魂を売り渡したファウスト。(つづく)

あらゆる質的差異

路地にあったあらゆる質的差異(旧来の慣習、差別、特権など)を再開発によって、富の格差へ還元する。もう半世紀に亘って、その流れは続いていて、かつてあった路地は多くを失われてきた。今も再開発に大きな資本が流れており、そして、夢のようなコピーが…

とりかえのきく世界に流されないように

どのようなプロジェクトも大勢で進めようとすると、一般性(多数決)が勝利する。ほとんどの場合、快適・簡単・便利、という頭を使わない価値に流れていくことになる。低きに流れる、とはこういうことだ。歯止めをかけるために、「核」を設ける必要がある。…

路地

路地の生活を、暮らしの原風景として思い浮かべる人は、世界中にたくさんいるだろう。おばさんが家の前の花をいじっていたり、縁台でおじさんたちが将棋をしていたり、路地の生活には人々の素顔がある。強い者は弱い者を守る。そんな当たり前の原理がそこに…

時間との闘い

気がつくと、時間との闘いを強いられている現実。もし、間違った方向に時間を使っていたとしたら、命取りだ。今の恵まれた環境だからこそ、方向を見据えることが大事だ。 ← 創造性の連鎖でつくる店舗デザイン:グリッドフレーム ← コラボで実験しながらつく…

笑い声

陽向の屈託のない笑い声に、いつも元気をもらう。お笑いの道を選ぶ人の原動力は、近しい人の笑い声にあったんだろうな。 ← 創造性の連鎖でつくる店舗デザイン:グリッドフレーム ← コラボで実験しながらつくるオリジナル素材による店舗デザイン:マテリアル…

守る

ぼくらは、根源的に何を目標に生きているのか、と考えると、「守る」という答えに行きつく。これは生物全体に共通することだろう。物理的にも、精神的にも、守る。いきるために必要な何かへ複数が手を伸ばすときに、争いが生じる。守るための攻撃が始まる。…

店舗という歴史をつくる 2

現在、美容室も飲食店も、新規出店から5周年を迎えられるお店はわずか20%だそうですが、私たちのつくらせていただいたお店は、長く続くお店が著しく多い、という結果が出ています。ぼくらは創業21年目になりますが、美容室・飲食店ともにそれぞれ数十…

店舗という歴史をつくる 1

ぼくは、ひとり旅が好きで、20代の半分は海外で過ごしていました。アフリカでも、ヨーロッパでも、南米でも、アジアでも、店舗はその国の文化を最もよく表す場でした。商品、サービス、スタッフ、カスタマー、空間のどれをとっても発見に満ちていて、生命の…

とりかえのきく世界、きかない世界 3

ぼくらは、全く反対の性質を持つこれら2つの世界を同時に生きていて、それらを行ったり来たりしている。だから、ぼくらは、だれもがある程度二重人格的だ。そして、2つの世界は、互いに論理的に閉じているため、どちらか一つの世界に偏った人同士では、お互…

とりかえのきく世界、きかない世界 2

一方で、ぼくらは自分をとりかえのきかない存在として大地に繋ぎ止める必要がある。とりかえのきく存在としてのみでは、魂の拠り所を失って、根無し草のように宙をさまよってしまう。 魂の拠り所としての<とりかえのきかない世界>には、次のような特徴があ…

とりかえのきく世界、きかない世界 1

ぼくらは、世の中が加速度的に快適、簡単、便利になっていくのを日々目の当たりにしている。グローバルな資本主義は、世界を均一化する方向へぐいぐい牽引していて、だんだんどこにいても変わらない生活ができるようになってきている。30年以上前にぼくが東…

憧れ

人生を賭す。それに勝つ実力を身につけ、存分に発揮する。愛することからすべてが始まっていることを知る。運命は天に任せる。祈り、とは身を正すことだ。ぼくらを必要としてくれる人たちのために一心に生きる。 ← 創造性の連鎖でつくる店舗デザイン:グリッ…

残丘

悠久の時と共に崩れ落ちてゆく丘。いつかはどこまでも平坦な荒野になってしまうのか。エントロピー増大の法則だね。ただ、太陽と月と星たちが登場人物で、代わる代わる現れては消える。ひとは誰も訪れることはない。そのような場所がどこかにあることに深い…

ビール

最初にビールを飲んだのは、小学校3年のときだった。父方の実家で、祖父がキリンビールの瓶ビールを小さなコップに注いでくれた。「飲んでみるか?」と。立て続けに3杯飲んだ。酔っぱらって、その先は覚えていない。ただ、祖父はとてもうれしそうだったの…

水槽の稚魚たち

グッピーの稚魚の群れが3日前に水槽の中に出現した。ネットで調べると、稚魚は魚たちに食べられてしまうことも多いらしい。しかし、グッピーの子供はどんどん増えていくので、かわいそうだけれど水槽の中に放置するのがよい、と書いてある。悩ましいけれど、…

とりかえがきかない

とりかえ自由な社会の、たくさんの人間の中に紛れたいというときがある。その方が安全で、心が休まるからだ。そして、そこで何を考えていようが自由だからだ。つまり、内面は「とりかえがきかない自分」でいたいと思いさえすれば、そうなれる。 (つづく)

ストーリーの可能性

愛国心と国家主義

柄谷行人によると、カントは国家主義nationalismという妄想を根絶すべきものとして、それに対抗するものを世界市民主義cosmopolitismと愛国心patriotismとしたそうだ。なんだって?国家主義と愛国心は同じじゃないのか?柄谷自身そう思ったそうだが、ぼくは…

柔らかな幾何学

ちょっと寄り道をしたくなって異次元の世界へ入り込む 異星人たちの人混みの中を縫うように通り抜けながら柔らかな幾何学の中に包まれる ぼくは立ち止まって話しかけることもできるしただぼんやりと会話の断片を拾うこともできる 話しかけられて微笑むことも…

故郷

再開発

誕生日

時間の区切りとして、誕生日を見ることは多いだろう。誕生日までには、これをクリアする、とか。本質的にはクリアしているのかもしれないし、していないのかもしれない。つまり、本質は見えにくいものとしてある。その本質を洞察しようとする日として、この…

発想

「つくる」という行為は、「発想とその具現化」と言い換えることができます。具現化には、必ずと言っていいほど、思いもしなかった結果が入り込み、そこに発見があります。発見したものからは、さらに新しい発想が生まれる。そして、それをまた具現化する。…

eスポーツ

eスポーツという言葉自体、ぼくには新鮮だが、日本のようにこれをスポーツとして公式に認めていない先進国は少ないらしい。このようなゲームを「役に立たないからやめろ」と子供に言い続ける自分もそろそろ考えなければならないようだ。毎日、世界は変わって…

中間勢力

大逆事件