gridframe001の日記

とりかえのきかない世界を生きるために

美について

カントの「判断力批判」の中に、「○○は私にとって美しい」という言い方は間違っている、と書いてある。

「美しい」という言葉自体に、「普遍性」という意味が含まれているからだろう。

だからといって、直ちに「○○は万人にとって美しい」というわけにはいかない。それは、例えば「万人受け」という言葉が、結局のところ多数決を前提として使われるに過ぎないからである。

柄谷行人ならば、そのような多数決を前提とする価値観は「一般性−特殊性」の回路の中にあり、それに対し「美しい」という言葉は「普遍性−単独性」という回路の中にある、と言うだろう。

回路が別なのだ。

(つづく)

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