gridframe001の日記

とりかえのきかない世界を生きるために

手をかざす

父方の祖母は、私が物心ついた頃にはリウマチで手足が不自由になっていた。夏休みに遊びに行くと、杖をついて歩く以外は、ベッドにいることが多かった。

私のお腹が痛くなったり具合が悪くなると、私をベッドに呼んでくれて患部に手をかざしてくれたのをよく憶えている。

リウマチでいびつなかたちになった手を、患部から5センチくらい離してかざした。

痛いところが暖かくなって、不思議と痛みを感じなくなった。

まるで魔法のようだった。

遠い、静かな思い出だ。・・・


今、陽向が具合が悪くなると、寝ている横で、同じように手をかざす。

触れてはいないのに、陽向がこちらへごろんと寝返りを打って近づいてくる。

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