gridframe001の日記

とりかえのきかない世界を生きるために

映画 空気人形

是枝監督作品。

私も あるとき 誰かのための虻だったろう
あなたも あるとき 私のための風だったかもしれない

途中、朗読される詩が心に沁みいる。

そのようにして、花粉が運ばれて、次の生へと命が受け継がれる。

世の中は孤独に満ちているように見えて、目には見えなくとも、誰かとそれぞれの命を支え合っている。

たとえ、つらい現実に生きて、希望はないように見えても、人との間に、必ず希望はある。

ダッチワイフを主人公とすることによって、観る者に、見たくない現実を突き付けつつ、最後の最後になってもなお存在する希望をさわやかに示すことに成功している。