大相撲の八百長が明らかになった。その問題自体は、「まあそういう力士もいるだろう」と思うだけだが、今回はどのように発覚したのか、の方がより興味をそそった。
警察が野球賭博事件の捜査中に調べた携帯メールの中にやりとりの文章が残っていて、それを文部省に報告したとのこと。昨年のウィキリークス騒ぎにもびっくりしたが、もう私たちには悪いことを隠す手立てがなくなってきたのだなあ、と改めて思った。
悪いことが発覚しない方法は、もう頭の中で思うくらいしかないのかもしれない。おっと、そういえば、いつだったかテレビで頭の中に思い描いた映像を、コンピュータの画面に再生できる装置が紹介されていた。となると、悪いことは考えるだけでも発覚してしまうのだ。
善悪の境界はファジーなものだし、根絶しなければならない悪とそうともいえない悪もあるだろう。
大相撲の八百長は大騒ぎに値する悪だろうか。それは一部の力士たちの自尊心の問題だ。「食っていければそれでいい」という人間を見つけ出して、みんなで責め立てても、何にもならない。
逆に、真剣勝負で闘い続けている人たちを称えるべきだ。
個人のたわいもない企みがデジタルに記憶されるようになり、そのことが、とるに足らないマスコミのネタを暴き出す。胸が悪くなるなあ・・・。