gridframe001の日記

とりかえのきかない世界を生きるために

記憶について

物心ついてから、堆積されてきた記憶に、霞がかかり始めたのはいつごろからだろうか。

記憶は古い順に消えていくわけではなく、ある時期の記憶だけがぽっかりと穴が開いたように消えてしまっていることがある。私はそれらを忘れる必要があったのだろうか。単に、忘れたいことを、都合よく忘れてしまっているのだろうか。

過去のことを振り返ることなく、前へ向かって走っていける人間は、薄情なのかもしれない。

だが、そのつけは必ずまわってくる。忘れてしまったとしても、起こったことがなくなることはない。せめてそのことだけは胸に刻んで、やはり前へ向かって今日を生きる。