あらゆる事象を物語に変換することによって、かたちに表し、存在させる。
そうしなければ、存在しないまま、消えていくものがあまりにも多いからだ。
消えて、忘れられれば、それが存在したことの意味はどこにあるというのだ。
ぼくは6年以上も毎日このブログを書いていて、ぼくが死んだ後も文章は残ってくれるだろう、という事実は、ほんの少しでも、ぼくに安らぎを与えてくれる。
けれど、そのために書いているわけではない。
毎日、出会った何かをちゃんと存在させたいのだ。
同様に、何かの物語を書いて、そして、その物語をもとに、空間をつくる。
その空間にたくさんの人が訪れ、ぼんやりとでも記憶にとどめる。
確かに、何かが存在したことの証しを、ぼくはつくりたい。
その証しに触れた人々の人生に、また新しい出会いを生み出すことを祈って。