「本当に長かったというか、あっという間に終わってしまった」
銀メダルのコメントを聴いて、初めてアイドル選手としてでなく、人間としてこの人に興味を持った。
フリーの4分間で、たくさんのことを考えた、と言う。ジャンプの中の一秒、スピンの中の一秒をきっと10分割も100分割もすることができるのだろう。それができることによって初めて、安定した実力を手にすることができるのだ、と実感した。「悔しい」と感じるのは、その中で違う選択ができたのに、と思うからだ。
イチローが昨年語った一言と重なる。
「投手が球を投げてから、僕のところに来るまで時間がある。そこでいろんなことを考えて、(打撃を)変えられる。待っている球が来ないからって、打てないわけではない」
金妍児とともに、19歳の女の子が、こんな領域まで行ってしまったのだろう。
周りに騒がれて、つぶされてしまうことを心配していたことがバカバカしくなった。
この人は、その次元をとっくに飛び越えている。