gridframe001の日記

とりかえのきかない世界を生きるために

意志 その1


その年の1月、私は6畳一間のアパートで「極北の大河ユーコン」というTV番組をみた。

アラスカ中央部を東から西へ流れるユーコン川のほとりにある人口80人の小さな村での秋から春へかけての半年間のドキュメンタリーだった。

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川の上流から氷が流れ始め、その量がどんどん増えて、轟音とともにぶつかり合い、溜まり、やがて川の全面が氷に覆われるダイナミックな秋。

川が静まり返ると冬。オーロラの季節がやってくる。真っ白な地上から、空に漂う緑色の光の帯を見上げる。

そして、雪解けの春。再び、轟音とともに、川から氷が消えていく。

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数日後、私はアラスカ行きの航空チケットを購入した。

ユーコン川のほとりの小さな村でオーロラを見たい」


2月後半、アンカレッジへ向けて飛行機は飛び立った。

(つづく)