gridframe001の日記

とりかえのきかない世界を生きるために

アメリカでの建築教育

ニューヨーク州立大学での建築の教え方でもっとも際立った部分は、設計作品のプレゼンテーションの時間に、徹底的に他人の作品を批評させることである。自分の言葉であらゆる作品を批評できるようになること。これが自分の設計理念を確立することにつながっていく、という考え方。

私はこのような教育システムの中で学べたことをとても幸せに思う。英語をろくにしゃべれなかった私も、プレゼンテーションの時間だけはよく自分の意見を言った。自分の見解を持たなければ、誰もその言葉に耳を傾けてはくれない。シビアだが、もっとも実践的なクリエイター育成の場である。

日本の大学には、上述の教育方法が欠けている、と思う。友人の作品に対しては辛口の批評ができない空気があるのではないか。そして、批評するための言葉を学ばないまま、社会へ出る人が多いのではないか。

まずは自分の意見を持つこと。その先に初めて対話が可能になるのだと思う。