建築を学んでいたニューヨーク州立大学で、チームを組んで空間をつくるプロジェクトがあった。
ぼくにとっては、最悪のプロジェクトだったと言っていい。ぼくの意見などは、何一つ結果に反映されることがなかったのだ。
ぼくは、このプロジェクト以前に、それなりに高い評価を得ていたという自負があったから、今回のアウトプットになんらかの貢献ができるだろう、と期待していただけにショックだった。
みんなで一つのモノをつくるとき、アメリカではstrong speakerと呼ばれる人間がしゃべりまくって、プロジェクトを勝手にリードしていく。それがいかに理不尽で不愉快でもしゃべりが得意でない自分にお鉢が回ってくることはない。
ぼくが、複数で空間をつくるときに、「創造性の連鎖」を考え出した所以である。
民主主義という制度は、実は、このstrong speakerが牛耳っている制度だと思う。
「創造性の連鎖」をもっといろんな分野で取り入れていくべきだと思っている。