「内モンゴルの首都フフホトへ行ったら、エンフォーブリンさんを訪ねたらいい」
北京で出会った日本人にそう勧められ、その人を訪ねた。エンフォーさんは日本へ半年間、工場研修（？）へ行ったことがあり、なんとその半年間で日本語ぺらぺらになったらしい。胸板が厚く、･･･どこかしら、西郷隆盛に似ている。人間全体から静かな迫力が漂っている。
内モンゴルの草原を自転車で走る、という目的のみで現地へやってきて、さて、これからどうすれば草原へ到達することができるのか、さっぱりわからない私は、このエンフォーさんに随分お世話になった。
草原の入口まで汽車の切符を購入していただき、そこからはひたすら東へ向かって走ることができる、という情報を得ていただいた。その上、一晩泊めていただき、次の朝、駅まで送ってくださった。
肌寒い中、ランニングシャツ一枚で過ごすエンフォーさんに、「寒くないんですか？」と聞くと、「寒くないです。私は生まれて48年間、一度も風邪を引いたことがない。」と笑って答える。･･･すごい人である。桁外れである。
大陸にはエンフォーブリンさんがいる。その人を思い出すだけで私は元気になる。
