土壁の土。スサと相俟って、やさしい空気をつくってくれる。
陽向と九十九里を走った。 真亀川総合公園の入口。バブルの頃につくられたのか、突然シンメトリーな造形に遭遇する。陽向も「びっくりした」 竹林の前の葦の原。なんてやわらかいんだ。 太陽光パネルの傾きが効いている風景。 真亀川の土手を走る。 夕陽。鳥…
成田悠輔と長渕剛の対談で、世間に理解されなくても自分の本音を隠さない者同士で、長渕が「一緒に闘ってくれる人を求めている」というシーンがあった。 この二人に共感するところは少ないが、ぼくも「一緒に闘ってくれる人」を強く求めていることを気づかさ…
「まとめようとしない」 そう決めて、壁をつくる。 ぼくは、人をもう一つの世界へ連れていくためにつくっているのだから。 なにか嫌悪すべきものがそこにあってもいい。
このプロジェクトでは、久しぶりに基本的なトラス構造をつくった。 構造力学の基礎を築いて、20世紀初頭に教科書をつくったティモシェンコ。 ぼくもその教科書で構造力学を学んだ。 つくり手のアトリエ空間として、つくっては塗りつぶしていく壁。 ティモシ…
美容室ecruのトラス構造が設置された。 空間の何かが動き始めたのを感じる。
例えば、雨が自分に降りかかってくるように・・・ 垂直ラインで描かれた作品は、自分の心へ向かう だから、刺さる作品も多いのだろう 水平ラインは自分の方を向いていない だから、自分とは距離を感じる 自分を安全な場所に置いて作品を見ることになる しか…
陽向の行動は、周囲に誤解されやすい。 悪意はなくても、悪意と解釈されることも多い。 鍼灸師の小笠原さんが教えてくれたのは、ぼくらにできることは陽向の代弁者であることに尽きる。 なぜ陽向はそうするのか? これをだれよりも理解し、誤解が生まれる前…
これでは壁になりえない。透けて見える意図が不快だ。 これなら壁になりうるが、何もしないのとさほど変わらない。 近づいてきたかもしれない。あとは貫いている縦ライン、横ライン、重量の配置だろう。
子供の頃は、目に見えない境界がなくて、どこへだって入っていけた。 ぼくが小学生の時、毎日のように知らない家の塀の上などを通って、毎日違うルートで柔道場へ通っていたことを思い出す。一度も叱られた覚えはない。 中学生になり、体の大きさが大人と同…
2011年まで本社を置いていたビルが、とうとうなくなった。 取り残された空間には、いつも残像が漂う。 しばし立ち止まり、ゆらゆらとそれを追う。
線を描いては塗りつぶす。これをひたすら繰り返していくとき、いつ、そのレイヤーの積み重ねがぼくの線から離れて、ぼくが消えていくか? ぼくが残りすぎていれば何も起こらないし、消えてしまっては行為の意味がなくなる。消えてしまうその直前を捉えて、そ…
エイジングとは、古く見せること。つまり、古いふりをすること。それでは、空間は本物ではなくなる。 ぼくらが欲しいのは古い空間と同一の空気感であって、新しいのに古いと見せかける空間ではない。 では、どうすればいいか? 嘉門達夫的に言えば、「ひねり…
元旦に起きた能登半島地震について、「ぼくたちにできることは何だろう」と考えています。 2016年に起きた熊本地震で母が一人で住む実家が半壊になったこともあり、被害の状況を想像すると胸が痛みます。 被害に遭われた方々へ心からお見舞い申し上げます。 …
陽向と、一枚の写真を頼りに青山墓地へ大久保利通の墓を探しに行った。 まず背景に写っていたビルを探して、大体の位置を把握して、さらに近景の木のカタチを見ながら、だんだんと近づいていくのは愉しい。 もちろん細かく場所を示しているガイドもあるだろ…
鉄板を染める。心に語りかけてくるような跡をどのように残すか?
逸脱行動とは、何を逸脱するのか? 一つは社会で決められたルールを逸脱する、というケース。このルールは「道徳」と呼ばれることがある。 もう一つは、人としてやってはいけないことをやってしまうケース。このルールは「倫理」と呼ばれることがある。 一般…
今日の陽向の逸脱行動の理由を聞いたときに、彼はこう答えた。 「やめられるけど、やめられない」 「わからないからやっている」と周りのほとんどの大人たちは見ているが、やはりそうではなかった。 理由は、ぼくら大人と一緒だ。・・・わかっているけれど、…
松本人志が話題になっている。若くして「自分は成功した」と思ってしまった人間のひとつのパターンではないか、と思う。 つまり、松本人志が特別なのではないのだろう。自分が若くして地位も名誉も手にしてしまったら、同じことはしないまでも、相当傲慢な人…
6000年程前の東京は温暖化で低地が海に沈み、フィヨルドのような状態になっていて、現在の内陸の奥まで運河が入り込んでいた。 古代人にとって、数々の岬は海という死の領域へ突き出た「死と生の境目」として聖地と見なされ、中でも東京最大の岬である今の青…
千葉駅近くの打合せに陽向も同行。 打合せ中は、彼はカフェで勉強。 最近、落着きがあったりなかったりする陽向は、今日はどうだろう? 結果は、やはり途中でカフェを抜け出し、近くに狭い場所を探し、入り込んで遊んでいたらしい。 だが、迎えに行ったとき…
3年半が経過したKZ邸へ手直しに伺った。空間を育ててくださっているのを実感し、KZ氏へ感謝の念を強くする。
土曜日、ほぼ完成した現場に入り、静かな気持ちで空間を体験する。 この貴重な時間に、自分の中でさまざまな対話をする。 店名は「The canal」と付けさせていただいた。 2隻の泥舟が浮遊している空間で、ゆったりと向こう側に在る世界に移動してほしい。 約6…
SOTOCHIKUの可能性を広げるプロジェクトが完成しつつある。
陽向の逸脱行為が止まない。 表情はやわらかくなってきているのに、毎日のように何かの問題を起こす。 もっと表情をやわらかくするしかない。 いつも笑顔にすること。 そのことだけに集中しよう。
表参道ショールームに、昨年施工させていただいたesports施設、HANGOUTの及川さん、永田さん、赤林さんがお越しくださった。いずれもお若い方々だ。 3回以上来てくださった方の名前と顔を憶えていらっしゃるとのこと、すばらしい。 一人一人の顔を想い浮かべ…
どんなにお金をかけられていても、空間が死んでいる、と感じることがある。 どこから生命を感じるのか? それは書き記すべきことではないだろう。
石こうボードにクロスを貼るというという「いわゆる」の壁に手を加える。 一対一で向き合う、もう一つの世界への移行。 「一般性」から「単独性」へ。
空間が喜んでいる、と感じる瞬間がある カタチと表面、要素はこの二つしかない その二つから無限の情報を感じ取る そんな「姿勢」が成立する瞬間