gridframe001の日記

とりかえのきかない世界を生きるために

境界がないこと

子供の頃は、目に見えない境界がなくて、どこへだって入っていけた。

 

ぼくが小学生の時、毎日のように知らない家の塀の上などを通って、毎日違うルートで柔道場へ通っていたことを思い出す。一度も叱られた覚えはない。

 

中学生になり、体の大きさが大人と同じになる頃には、それをしなくなった。・・・というより、できなくなった。

 

他人と自分の、お互いの境界線を踏み越えることにタブーを感じるようになるからだ。

 

陽向は中学生になって、体の大きさが大人と同じになっても、まだ他人の領域へ踏み込んでしまう。・・・というより、踏み込むことができる。

 

だが、相手はそれができないから、問題が生じる。

 

でも、その問題は彼の中には存在していないのだから、混乱する。

 

ABCD分析でいえば、左の象限CAがまだ彼にははっきりと見えていない。

 

その代わりに、右の象限BDを深遠なまなざしで見つめている。

 

この社会でスムーズに生きていくには、これから勉強が必要だが、その深遠なまなざしを壊さないように、大事に育てていきたい。

 

楽な道を選ぼうとすると、その無限の可能性を無駄にしてしまいかねない。