柔道の道場へ通っていた小学生の頃、先生に「攻撃は最大の防御!」とよく言われた。
「護身術」として生まれた柔道と、そもそも矛盾する教えなのではないか、と考えるようになったのは大人になってからだが、結論として、「攻撃は最大の防御」と「護身術」は両立する。
柔道の魅力は、相手の動きに自分の動きがピタリと合ったときに、きれいに技が決まることである。つまり、相手の動きが自分の技に先行することになる。
この「動き」とは、必ずしも物理的な動きではなく、心の動きも含んでいる。
どちらかが攻撃を仕掛ける動きを始めたら、その瞬間に相手はそれに応答する。それが「護身」だ。
現在が戦いの場であることを意識すれば、すでに攻撃は始まっているのだ。
つまり、もう戦いは始まっているのであれば、すべての攻撃は応答として成立する。
護身術だからと迷わなくてもいい。