2016年。フランス・ベルギー。ナタリー・ポートマン。
「プラネタリウム」というタイトルが切ない。昼には見えない星を、プラネタリウムは見せてくれる。それは、儚い夢を見せてくれる映画にも似ている。そして何より、行く先に何かを得ようと努力する人間の心の中にも似ている。
だが、未来は約束されていない。「期待せず、ただ希望を持ち続けること。」
難しいけれど、このような心を持つ人間のみが、新たな何かに触れる可能性がある。
外部から来る何かがなければ、内部だけで世界は動かない。
外部性を天賦の才として与えられた妹は、若くして外部にさらわれて消えてしまった。
その外部性を目の当たりにして、それを映画によって世界へ知らしめようとしたプロデューサーもまた、外部にさらわれて消えてしまった。
取り残された姉は、「期待せず、ただ希望を持ち続けること」を知り、失われた二人を胸に抱いて生きる。