マルクスは、商品が貨幣と交換される「売る―買う」関係を「命がけの飛躍」と呼んだ。クリプキが非対称のコミュニケーションについて表現した「暗闇の中の跳躍」。
商品をつくっても売れるかどうかは結果でしかわからない。この世界を生きていく根源的な原理として、「暗闇の中の跳躍」を繰り返していかねばならない。
ぼくは20代のときに、この世の中で生きることをこう捉えた。
同時に予定不調和の世界で生きることを選んだのだと思う。
長い時間をかけて日本をダメにしてきたのは、明らかにこの感覚の欠如だと思う。
一生、探求を続けること。外部性に突き放され続けること。
自分を全面的に肯定はできないが、ぼくは暗闇で先へ向かって跳躍し続ける。