gridframe001の日記

とりかえのきかない世界を生きるために

古賀稔彦

佐賀県鳥栖市の同じ柔道場に3歳下の彼がいたことは、ぼくの自慢だった。小学生の時に3歳も離れていれば、話もしないし、一緒に練習することもない。もちろん、彼はぼくのことを知るはずもない。

 

ぼくとしても、まだ小さな彼が試合のときにちょこんと座っていた姿を憶えているのみだ。その後、彼が「平成の三四郎」と呼ばれるようになるのを知る由もない。

 

その彼がこの世を去った。突然のことに、どうやらぼくはかなりショックを受けたらしい。今日は、気が沈みがちだ。

 

彼の背負い投げは、ぼくの理想の柔道の姿だった。彼を直接知らないながらも、動画で語る彼を見て、きっと気持ちのいい人に違いないという印象があった。これから話をする機会もなかっただろうが、彼がこの世にいないことは淋しい。

 

子供の頃にずっと年下の姿を知っている人の死を知るのは、初めての経験だが、形容しがたい微妙な心の揺れを感じている。