gridframe001の日記

とりかえのきかない世界を生きるために

1.25倍

「われわれのリアリズムは倍率1倍と称する倍率1.25倍である。」(森敦『意味の変容』p.39)

「意味の変容」は、数学に論拠を置いて語られているにもかかわらず、上のような厳密さを覆すような記述がところどころに見られる。

例えば、上の25%を、著者は「幻術」や「誇張」と呼んでいる。別の本では、それを「遊び」と呼んでいるだろう。

緻密な論理の周縁には「遊び」があってこそ、それが生きてくる、という感覚があったのではないか、と思う。

25%を説明しろ、というのは野暮というものだ。そのような数字はいったい誰が決めるのか?

確かなことは、このような問いを発するときに、僕の心はとても静かになる、ということだ。

グリッドフレームのHPへ ← グリッドフレームのHPはこちらです