gridframe001の日記

とりかえのきかない世界を生きるために

父との会話

人との関係は、その人が亡くなってからむしろ深まる場合があるかもしれない。

私にとっては、父との関係がそうだ。父が急死してから、もう1年半以上が過ぎているが、私の中で父の存在感は生前よりも大きくなっている気がする。

父に語りかける。答えを求めているわけではない。語りかけることで、心を静かにする。そして、心を決める。そんなことを父の死後、何度繰り返しただろう。

魂に語りかける、ということが、生前にはむしろ難しいのかもしれない。



アメリカへ留学したときの建築学科の最初のプロジェクトは、墓をデザインすることだった。私は、ガラスの墓をデザインした。

ピーナツ型のガラス容器に体(骨)を入れ、そこから50センチほど離れたところにガラスの球体を設けて、それを魂の容器とした。

魂は球体の中で浄化され、そこで次の生への準備がなされる。



人間はだれも汚れるものだと思っていた。だが、父の魂は最後までピュアなままだったと思う。浄化の工程を必要としないなら、もう次の生が始まっているかもしれない。

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