gridframe001の日記

とりかえのきかない世界を生きるために

攻撃は最大の防御

柔道をやっていた頃、明治生まれの大先生に「攻撃は最大の防御」とよく言われた。

「攻めていれば、負けることはない」という感覚は身に沁みていたが、中途半端に攻めると逆に危ない。本当に攻めなければ有効ではないのだ。そして、本当に攻めるということは、とても難しい。

もちろん、柔道のみならず、なんにでも当てはまるメジャーな言葉だ。

空間をつくる中でも、この言葉の意味を身に沁みて感じることがある。

空間の22%をつくりこんで、残りの78%を流す。それがよい空間をつくる鉄則だと思っているが、「流す」という言葉は手を抜くという意味ではない。それを間違えて、ここで足を取られることが多い。

流す部分とは、言ってみればアートではない部分である。アートが得意な私たちにとっては、おもしろくない部分である。そこをささっとやってしまって、おもしろい部分にエネルギーを注ぎ込むことを理想としている。

だが、流す部分はオリジナルのことをやらない部分なのだから、他との比較ができる部分である。少なくとも他と比べて遜色ないものに仕上げなければならない。

そういう心持ち自体に抵抗があるため、ちょっとだけでも他と違うものをつくろうとしてしまう傾向がある。

だが、これがまさに「中途半端な攻め」というものである。逆をとられて、負けてしまう結果を招きやすい。(完成度など退屈な尺度が問題となってしまったりする)

攻めるなら、徹底的に攻める。守る部分は、守りに専念する。エネルギーは、攻めの22%の部分に集中する。

今後、そのようなつくり方に徹底していこうと思う。

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