大事なものは後の楽しみにとっておく。
そんな空間のつくり方がある。
優先順位の低いものから手をつける。
例えば、オフィスを計画するときに、①会議室、②応接室、③役員室が必要ならば、それをつなぐ④廊下も必要だ。
優先順位は番号順だとする。
ならば、優先順位の最も低い廊下を最初に丹精込めてつくる。
④を先につくりあげた瞬間、①②③のための残りのスペースも同時にできあがる。
その後、③、②とやはり丹精込めてつくっていく。
④③②をつくりあげた瞬間、①も「残りのスペース」としてできあがっている。
大事なものには自然が必要だ。人がコントロールしたものとは比べものにならない、リッチなコンテクストが自然に入り込む。
機能として要求される部分以外、①には手を加えない。
ぼくの理想とする空間のつくり方がひとつ完成した。