gridframe001の日記

とりかえのきかない世界を生きるために

父が逝く

12月1日の夜更けに、元気だった父の訃報が届いた。交通事故だった。父は横断歩道を渡っている途中で、直進してきた車にはねられた。即死だったらしい。

2日午前のプレゼンを終えて、すぐに熊本へ向かった。いいプレゼンができたことを、心の中で、突然この世からいなくなった父へ報告しながら。

今年、父は私との電話で、今の自分が幸せであることを何度も語った。周囲の人たちにも大変良くしていただき、つい2ヶ月ほど前に、金婚式を祝っていただいた夜には「長生きはするもんぞ」と、しみじみ語っていた。

陽向が誕生したことも一つの要因だったようだ。親不孝な私だったが、少しだけでも親孝行できたことをうれしく思っていた。

「きっと安らかな顔で逝ったに違いない。」

そう信じていた。そう信じている間は、静かな気持ちになれた。だが、交通事故で亡くなったのだから、そうでない場合のイメージも時折、頭をかすめる。

通夜の会場に着いて、最初に父の顔を見た。思わず「よかった・・・」という言葉がこぼれた。父は、眠るように死んでいた。それは、いつもテレビを観ながら居眠りするときの表情と同じだった。

幸せな人生を生きた人間にふさわしい死に顔だった。