gridframe001の日記

とりかえのきかない世界を生きるために

56番のバスの終点

ナイロビの宿は、市街地から56番のバスに乗ってたどり着く場所にあった。

その日も宿の近くの停留所で降りるつもりだったが、気が変わった。何となく終点まで行ってみたくなったのだ。

20分ほど走っただろうか。終点に着いた。そこには集落があって、歩き出すと子供たちがたくさん寄ってきた。

子供たちと仲良くなると、そのうちの一人の家に連れて行かれた。

写真の通り、土壁とトタン屋根の家だ。土のにおい。それは、私にとってアフリカのにおいであり、また、故郷・熊本の祖父母の家のにおいだ。今、この写真を見ていても、土のにおいを懐かしく思い出す。

「なんとなく、こうしてみたくなった」という旅が、その後の旅の癖になった。実は、旅だけでなく、人生もそんなふうだし、そして、今、つくる仕事も、それが根本的な私たちのスタンスだ。