gridframe001の日記

とりかえのきかない世界を生きるために

満月の夜の海岸

通いなれた砂浜は、その日はいつもと様子が全く違っていた。

満月の夜の海岸はいつもより100メートルも砂浜が広がっていた。
遠くで波の音が、チャプン、チャプンと鳴っている。

何かに呼ばれたかのように、水際へと足が進む。体が引力を感じるのだ。

妻が後ろから私を引き止める。私が歩いているところは、いつもは海の底だ。なんだか地球上にいるという感覚がなくなっている。

どこかの無人の惑星に置いてきぼりにされたような心細さが懐かしくなったら、またここに来るだろう。