複雑でないモノにぼくらはリアリティを感じない。
簡単なものなど何もないし、どんな人も複雑さの中を生きている。
軍事組織や官僚組織のようにシンプルなピラミッド型をしている組織が機能する時代は20世紀で終わっていて、サル山のボスのような人が優秀と見做されることもない。
才能ある者が君臨するのではなく、単に点在することで、ときおり点と点が呼応しあって共生関係を結び、光を放つ。
その組合せは無限で、持つべき才能はひとつでいい。そして、その「ひとつ」とは多くの場合本人が気づいていないようなところにあるのかもしれないし、誰もがそれぞれに必ず持っているモノだ。
誰もが生きているだけで尊い。そう自分にも言ってやろう。
曼荼羅のようなシンメトリーの世界イメージがぼくは好きではないが、その一部を切り取ったアシンメトリーな世界にいることを認めてもいい。