そこにいるといつの間にか音楽が聴こえてくるような空間に、ぼくはいくつ出会ってきただろう?
もちろん、いろんな条件が揃って起こることだろうが、まずは空間に力がなければ、そんなことは起きない。
写真からも音楽が聴こえることもあるが、やはりその場にいることで聴こえてくる音楽は、CDとライブくらいに違う。
例えば、ぼくは遠い過去に、夕暮れ時ルイス・カーンのソーク・インスティテュートへ行ったときに、水がこちらへ流れてくる位置に立った。
赤・黄・紫・青・紺に染められた太平洋の空を背景として広がる凹状のシンメトリーな構図。
その静寂の中でぼくの中に聴こえてきた音楽が確かにあった。
そのような空間は、「自然」を必要とする、と思う。ぼくらにはコントロールできない何かを。
SOTOCHIKUによって、そんな空間をつくることができるかもしれない。