gridframe001の日記

とりかえのきかない世界を生きるために

時計を壊す

陽向が家にある時計を壊す。壊れた時計をぼくが修理する。陽向がまた壊す。ぼくがまた修理する。。。。

 

こんなことが続いている。陽向は他の機械には手を触れない。壊すのは時計だ。

 

きっと壊したい理由があるのだろう。

 

彼は、時間についての概念を身に着けていない。

 

時刻についても、時刻と時刻の間の時間についても無関心だ。

 

約束の時間を設定しても、アバウトにしか対応できない。これについては、ぼくがケニアを旅したときに出会ったケニア人を思い出す。

 

彼は約束の食事の時間に2時間遅れてきた。文句を言うと「来たんだからいいじゃないか」と表情も変えずに返された。「まあ、確かになにか困ったわけじゃないよな・・・」とぼくもそれ以上言うのをやめた。

 

「時計は好きじゃない」という陽向の主張は、「自由でいたい」という心の裏返しだろうか?