あの震災から干支が一回りした。あのときに被災した子供たちはもう大人になった。
約2万人が亡くなった。爆発した原発はまだ危険なままにある。傷痕は今も生々しく残る。
これが日本か?ぼくのこの国に対する信頼が揺らぎ始めた最初の出来事であったかもしれない。
誰が見ても復興したとは言い難い状況下で、復興五輪と謳われるお祭りが行われ、それでも東北の人たちは押し黙ったまま、現状を受け入れているかのように見える。
昨日のブログ「消えそうな体温」は、今日の気持ちともオーバーラップしている。
本当に美しいものがあるとすれば、それは人間の体温だ。生きている人間の想いによって、生きていた人を含め、自分と関わったすべての人々の体温を抱きしめながら、共に生きることだ。
被災したあの頃の子供たちが成長して、今日どこかで感じていることを、静かに目をつぶって想像してみたい。