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この「パクチー銀行本店」の準備をしている中、リモート授業を受けていた小学生の息子が自律神経失調症になった
妻は考えられうる限りの医者を訪ねて診ていただいたけれど、むしろさまざまな精神疾患が既存システムの中でどのようにつくられていくかを目の当たりにしたような気がする
現在、睡眠障害などの症状は快方に向かっているが、もしも医者の言うままに向精神薬の服用を続けていれば、息子は引きこもりの一人になってしまったかもしれない
妻と二人で判断し、断薬を選んだのは本当に良かったと思っている
人は誰でも生を受けた瞬間から、体一つになっても常に有り余る「生きる力」を手にしているのだから、誰もがただその人のままでいられればよいのだ
ぼくや息子に何かが欠損していたとしても、「生きる力」は少しも揺るがない
それどころか、水の流れのように、欠損した個所からすべてが動き始めるかもしれない
コロナによって社会に不安が広がり、精神疾患を患う人は子供たちも含めて急激に増えているという
この国の引きこもり人口は150万人とも言われているが、スタグフレーョンの到来が告げられる今、この人たちの「生きる力」を取り戻していくことは命に関わる課題ではないか
「パクチー銀行本店」では、常に生成と崩壊が同時に進行する自然界の時間の流れを追うSOTOCHIKU空間をつくり、訪れる人たちの「生きる力」を取り戻すための、あらゆるモノやコトをここに結集していく
既存システムに従う世界では変えていけないことを、ここにあるもう一つの世界で変えていくために・・・