http://d.hatena.ne.jp/yogosiurubi/20151215/ のつづき
それは、その町の醸し出す空気感を言語化することに始まる。
クライアントがカスタマーに伝えたい空気感の本質は何なのか、をインタビューの内容から想像する。
そして、言葉をかたちに変える。こうして、その町は別のかたちへと変換される。
抽象化といういわゆるモダニズムの方法をとるわけだが、問題は、そこで失われるものが必ずあることだ。
今度は、それについて考える。失われたものはなにか。そして、それをいかにして、取り戻すか。
これらを、現実的に手に入る材料と、制作・施工能力の限界などを考慮に入れながら、進めていく。
ぼくらの強みは、つくり手がいることだ。実際に、手を動かすことで、思考の過程で失われた豊かなディテールをとりもどしてくれることが多い。
結果として、全く別のものに変換されながらも、中へ入ると、その町と同じ風を感じられることをめざす。
そんな空間こそが、つくられる意味がある空間だ、とぼくたちは信じている。